わが母の教え給いし歌 1503 ビクトリア・デロス・アンヘレス

 
 
 
     わが母の教え給いし歌 Als die alte Mutter
     ソプラノ : ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス
           Victoria de los Angeles
 
           ***          ***
 
Als die alte Mutter 
Mich noch lehrte singen
Tränen in den Wimpern 
Gar so oft ihr hingen 
 
Jetzt wo ich die Kleinen
Selber üb'im Sange 
Rieselt's mir von Auge 
Rieselt's oft mir auf die braune Wange! 
 
 
     チェコの、ボヘミアの詩人の、
     アドルフ・ヘイドゥーク Adolf Heyduk の、
     チェコ語の詩を、
     ドヴォルザーク Antonín Dvořák が、
     ドイツ語に翻訳して、曲をつけました。
   
     ドボルザークの、「ジプシーの歌」 Cigánské melodie
     という歌曲集の中に、入っているそうです。
 
     二人は、青年期から壮年期が、
     日本の、幕末から明治維新でしたので、
     明治の人たちに、強く意識されたのかも、知れません。
     
     大正時代の音楽全集に、
     この楽譜が入っていましたので、
     1960年代に、わたしも、よく歌いました。
 
     ジプシーって、インドヨーロッパ系の文化圏に、
     定住しないで暮らす人たちですけれど、
     たくさんの民族の、残骸のような、河原乞食の類です。
 
     インドヨーロッパ系って、
     言葉だけでなく、顔や体の見てくれが、同じ血筋なの。
     インドからヨーロッパのほうへ、移動するのが、
     だいたいの、決まった方向です。
 
     インドのほうが、都会で、
     ヨーロッパは田舎でしたから、
     当たり前かも知れません。
 
     メソポタミアやエジプトの文明は、
     言語や民族の血筋が、
     インドヨーロッパ系とは、違います。
 
     ジプシーの人たちって、
     たぶん、たくさんの民族の、残り滓(かす)ですが、
     定住地を確保できなかったのは、
     ユダヤ人と、似たような原因かも、知れません。
 
     インドヨーロッパ系の民族でなかったので、
     混血を許されずに、仲間外(はず)れにされました。
     顔や体の、見てくれが違えば、
     混血をしても、すぐにバレて、虐(いじ)められます。
 
     日本人も、欧米白人との混血は、
     1960年代中頃まで、パンパンの子と言われて、
     すごく虐(いじ)められました。
     1970年代になると、一転して、無条件に優秀と、
     エステティックに見られるようになりました。
 
     この変化が、部落差別の無くなるのと、同じでした。
     何故、急激な歩調が、一致したのかは、
     よくわかりませんが、ソ連の解体に、似ていました。
 
     自分たちの民族の、顔や体の見てくれよりも、
     異民族の見てくれに、似ているほうが、
     威張っているだけでなく、崇拝されるって、
     すごい現実です。
 
     民族の解体を、意味しているのかも、知れません。
     日本人の顔や体でなく、
     欧米白人に似ているほうが、誇らしいのですから、
     インカ帝国の、末期の風俗と、同じです。
     
     インカでは、白人の顔や体の見てくれが、
     神様の徴(しるし)として、信仰されました。
     神様って、御先祖様です。
 
     倒れる前の、ソ連でも、
     アメリカ合衆国の流行に、似ているほうが、
     みんなの気持ちの中で、幅が効きました。
     ルーブルが暴落して、
     ソ連国内なのに、ドルが信用されました。
     
     わが母の教え給いし歌って、そういう歌です。
     ジプシーの歌のように、作曲されました。
 
     音楽では、
     プッチーニの、『ラ・ボエーム』 La Bohème が、
     ボヘミアン Bohemian を描きましたが、
     20世紀のアメリカ合衆国の、
     ヒッピー Hippie の運動に、繋がる生き方だけでなく、
     ナチスのユダヤ人虐殺や、
     現代ヨーロッパのジプシー差別の、源流が、
     ボヘミアの地に、あるのかも知れません。
 
     地名だけの話なのか、そうでないのかを、
     わたしは、よく知りませんが、
     ズデーテン地方の、民族の諍(いさか)いは、
     高校の教科書に、必ず書いてありました。
     
     ビクトリア・デ・ロス・アンヘレスは、
     カタロニア出身のソプラノですが、
     日本人には、あまり、馴染みがありません。
     バルセロナのオリンピックで、歌っていました。
 
     カバリエよりも年長の、
     スペインを代表するソプラノでしたが、
     10年ほど前に、死にました。
 
     81才でしたから、若い日本の女の子は、
     彼女の声を、聞いたことがないはずです。
     わたしも、録音でしか、聞いたことがありません。
 
     わたしは、
     お弁当を食べながら、見たり聞いたりするのが、
     好きです。
     
 
 
 
 












 
 
 

精神医療の廃止とコンピュータ

進化論や精神医学などの、 ロマン主義による社会や心の学説を否定して、 精神医療と精神科と精神病院の廃止を、 主張します。

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