【夢】 Reverie
バイオリン : Sandor Lakatos シャーンドル・ラカトシュ
※ バイオリンの演奏だけです。
歌はありません。
*** ***
シャーンドル・ラカトシュは、
家族で楽団を作っています。
ジプシーの演奏者は、たいてい、そうです。
踊り子や歌手も、家族や一族で、賄(まかな)います。
死ぬまで、演奏旅行に明け暮れますので、
世界中の、昔の芸能人の生活様式と、同じです。
日本の芸能人も、昔は、家族や一族で、
旅から旅への人生でした。
芸能人は、世界中で、旅芸人が普通でした。
さもなければ、やくざの端っぺたでしたから、
日本では、旅芸人であろうが、やくざであろうが、
芸能人は、河原乞食と言われました。
能や歌舞伎のように、
権力者の贔屓(ひいき)にあずかり、
成功した例は、非常に稀(まれ)でしたけれど、
世襲ですので、よそ者は、紛れ込めませんでした。
ヨーロッパの、オペラやバレエは、
世襲でありませんでしたけれど、
オペラは、ホモかマフィアかユダヤかと、
言われていました。
今でも、そうかも知れません。
最近の芸能人は、お金が貯まると、家を買いますので、
旅をしません。
家族や一族での、芸能活動もなくなり、
一人だけで、興行会社に就職します。
芸能って、歓楽街のやくざが仕切っていましたので、
やくざに就職するのでなければ、
一族が纏(まと)まり、旅から旅への、
放浪の人生にならざるを、得ませんでした。
世界中が、そうでしたから、
ジプシーって、ただの旅芸人と、どう違うのかと、
疑問になります。
シャーンドル・ラカトシュは、
代々、名跡(みょうせき)を受け継ぐそうで、
この人は6代目です。
ジプシーには、バイオリンの上手(うま)い人が、
一杯いますが、
大手の興行会社や音楽会社の、商業ルートに乗りません。
昔は、居住や職業の自由がありませんでしたから、
お金が出来ても、権力者の許可がなければ、
町に住めませんでした。
同業者の許可がなければ、営業もできません。
農業は、土地や牧草地の、所有や使用に、
世界中、どこでも、権利を入手しなければいけませんが、
ジプシーに譲る人は、誰もいませんでした。
町や農地や牧草地って、
民族によって、縄張りが決まっています。
戦争によって、血と命を犠牲にして、
現在の縄張りを、獲得しました。
ジプシーのようなよそ者に、
おいそれと、分けてあげる余地は、ありません。
個人の所有だけでなく、民族の歴史的な所有なの。
多民族社会は、一触即発の複雑さです。
何百年も、芸能や売春などの、
乞食や放浪の生活が続きましたから、
ジプシーの人たちは、
今も、他民族と一緒の生活を、嫌(きら)います。
日本で言うところの、
被差別部落の人たちが、部落に居着くことも許されずに、
放浪をしたようなものです。
それぞれの民族に、最も底辺の人たちがいましたから、
たくさんの民族の、混血かも知れません。
日本では、昔の被差別部落に、
今は、韓国朝鮮の人たちが、おおぜいで暮らしています。
ジプシーって、性転換をする人が、多いのかしら。
去勢歌手のカストラートは、
教会に匿(かくま)われていたのでなく、
日本の神社仏閣の縁日(えんにち)を仕切るテキ屋や、
インドの寺院に宿るヒジュラのように、
やくざに支配されていたようです。
日本でも、生まれ育ちの貧しい人たちは、
娘さんに、三味線やピアノを習わせましたが、
芸能人って、幇間(ほうかん)みたいに、便利でした。
この曲は、
シャーンドル・ラカトシュが、作曲したそうです。
アメリカ合衆国の、映画音楽の雰囲気ですけれど、
わたしは、こういう甘いのが、大好きです。
川端康成の、伊豆の踊子を、思い出します。
0コメント