実葛(さねかづら)は、8月(がつ)に咲(さ)きますけれど、
モクレン科(か)ですから、
見応(みごた)えのある花(はな)です。
直径(ちょっけい)は、1.5cmぐらいしかありません。
小(ちい)さくても、
雌(め)しべが、丸出(まるだ)しで、エッチです。
モクレン科(か)って、
花(はな)の構造(こうぞう)が、原始的(げんしてき)なの。
離生(りせい)の多心皮(たしんぴ)が、
螺旋状(らせんじょう)に配列(はいれつ)します。
写真(しゃしん)の赤(あか)い集合果(しゅうごうか)に、
雌(め)しべの付(つ)き方(かた)が、現(あらわ)れています。
一本(いっぽん)の雌(め)しべの離生心皮(りせいしんぴ)から、
一(ひと)つの丸(まる)い果実(かじつ)ができます。
多心皮(たしんぴ)ですので、
たくさんの果実(かじつ)が集(あつ)まり、
全体(ぜんたい)で、
一(ひと)つの集合果(しゅうごうか)と、言(い)われます。
心皮(しんぴ)って、
胚珠(はいしゅ)の着(つ)く大胞子葉(だいほうしよう)が、
変形(へんけい)したものです。
花(はな)は、泰山木(たいさんぼく)の系統(けいとう)の、
甘(あま)い香(かお)りですけれど、
小(ちい)さいので微(かす)かです。
昔(むかし)は、茎(くき)の粘液(ねんえき)を使(つか)い、
髪(かみ)を整(ととの)えました。
美男葛(びなんかづら)とも、言(い)われますが、
第二次世界大戦(だいにじせかいたいせん)くらいまでは、
五味子(ごみし)のほうが、
よく使(つか)われられていた名前(なまえ)かもしれません。
干葡萄(ほしぶどう)みたいにした果実(かじつ)を、
漢方薬(かんぽうやく)として使(つか)います。
迷信(めいしん)です。
蔓性(つるせい)ですけれど、
数(すう)mの高(たか)さに、巻(ま)き付(つ)きます。
名(な)にし負(お)はば
逢坂山(あふさかやま)の さねかづら
人(ひと)に知(し)られで くるよしもがな
藤原定方(ふじわらのさだかた)
後撰和歌集(ごせんわかしゅう)
百人一首(ひゃくにんいっしゅ)
くるよしもがなは、
手繰(たぐ)る方法(ほうほう)があれば良(よ)いのに…
人知(ひとし)れず、娘(むすめ)をものにしたいと、
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