【星の流れに】
唄 : 菊池章子
焼け跡に、闇市が立った1946~1947年頃は、
わたしの時代でありませんけれど、
初めて、性転換医療に関わった1970年頃に、
SRS(性転換手術)を受けたMtF(male to female)の人たちを
率いていたのは、
この唄の時代に、青春を過ごしたオカマの人たちでした。
終戦直後の早くから、エストロゲン製剤を使い始めましたけれど、
再び戦争になりそうな雲行きでしたので、
去勢を思いとどまっていたそうです。
池田首相の、所得倍増計画の高度成長時代になり、
当分は戦争がないと、確信できたそうです。
その頃になると、わたしと同世代のMtFの人たちが、
次々に、SRSを受けるようになりました。
この唄は、わたしの時代でありませんけれど、
わたしには、性転換を象徴する唄のように、聞こえます。
当時は、娼婦になれれば、上々でした。
売春婦未満の、極貧の生活から、身を起こすためでした。
高度経済成長で豊かになったはずなのに、
終戦直後の貧乏に、取り残されたような人たちが、手術を受けました。
心の性別という絵空事のように奇麗な性転換は、
もう少し後の、オイルショックになってからと、記憶していますが…
0コメント