空と海 0123 ジョコンダ第2幕 ディ・ステファノ


 
空と海(Cielo e mar)
   ポンキエッリ(Amilcare Ponchielli)の
   オペラ ジョコンダ(La Gioconda)
   第2幕の エンツォの歌うアリア

テノール : ジュゼッペ・ディ・ステファノ
   (Giuseppe Di Stefano)
 
 
   ***   ***
 
 
  Cielo e mar
   (Sky And Sea)

Cielo e mar! L'etereo velo
 (Sky and sea! The ethereal veil)
splende come un santo altar.
 (Shines like a holy altar.)

L'angilo mio verra dal cielo?
 (Will my angel come from sky?)
L'angilo mio verra dal mare?
 (Will my angel come from the sea?)
 
Qui l'attendo; ardente spira
 (I await here; ardently the wind)
oggi il vento dell'amor.
 (Of love breezes today.)
 
Ah! Quell'uom che vi sospira
 (Oh! That man who sighs,)
vi conquide, o sogni d'or!
 (Will vanquish, oh dreams of gold!)
 
Ah! Quell'uom che vi sospira
 (Oh! That man who sighs,)
vi conquide, o sogni o sogni d'or! 
 (Will vanquish, oh dreams of gold!)
o sogni o sogni d'or! 
 
 
Nell'aura fonda
 (Through the dense atmosphere,)
non appar ne suol nd monte.
 (Appears neither earth nor mountain,)
 
L'orizzonte bacia l'onda!
 (The horizon kisses the waves!)
L'onda bacia l'orizzonte!
 (The waves kiss the horizon!)
 
Qui nell'ombra, ov'io mi giacio
 (Here in the shade, where I lay)
coll'anelito del cor,
 (With the yearning of my heart,)
 
Qui nell'ombra, ov'io mi giacio
 (Here in the shade, where I lay)
coll'anelito del cor,
 (With the yearning of my heart,)


Vieni, o donna, vieni al bacio
 (Come, oh my Lady, come to the kiss)
della vita e dell'amor ...
 (Of life and of love..)
Ah! Vien!
 (Oh! Come!)
 
 
 
   ※ 最後は面倒なので、
     繰り返しを省略しています。
 
 
   海のように素晴らしい、
   果てしない愛の夢を、
   あなたに伝えよう。
   2人で船出しよう。
   わたしは、あなたを待っている。
   早く来てください。
 
   そういう、つまらない歌詞です。
 
   貧乏人の女性歌手ジョコンダと、
   その盲目の母親が、
   貴族の恋愛の、犠牲になる話ですから。
 
   このアリアは、
   遊び相手のジョコンダを捨てて、
   宗教裁判所長の妻と
   駆け落ちしようとする男が、
   夕闇せまる波止場の船で待ちながら、
   歌います。
 
 
ラ・ジョコンダは、
ベルディとプッチーニの折衷のような、
妙に複雑な筋書の、オペラです。
 
第3幕の、時の踊り(Dance of the Hours)
と言われるバレエのほうが、
馴染みがあるかも知れません。
 
こんなオペラのために、
劇場まで行きたくない。
ビデオで充分です。
 
オペラは、
声や踊りや舞台を知るのが、目的ですから、
筋書は、子供だましのお伽噺でも、
構わないのですが、
やはり、要領を得なければ、
何かが間違っていると、考えて、
眠たくなります。
 
人生も、そうですが、
飽きて眠たくなる頃には、死にます。
 
もう厭き厭き、という気持ちを、
だれか、オペラにしてください。
 
麻原彰晃のサリンのせいで、
罪のない盲人の、
貧乏な母親が、寝た切りになれば、
その家族が可哀想で、
犯人の麻原を、憎むでしょう?
 
そういう本当の気持ちに、
わたしは、厭き厭きして、眠たくなります。
 
そんなのは、毎日毎日、見ていますから。
ずーっと、起きているわけに、行きませんし、
怒り続けるわけにも、行きません。
 
毎晩、眠らなければ、仕方ない。
 
 
   ジュゼッペ・ディ・ステファノは、
   中学~大学生頃の、
   わたしの好きな歌手でした。
 
   発音が明瞭で、聞き取りやすく、
   ドラマティックな声ですので、
   憧れましたが、
   オペラのアリアとカンツォーネを、
   ひとわたり聞くと、飽きました。
 
   2004年に、ケニアのモンバサ近くで、
   5人の強盗に襲われて、
   少なくとも脳震盪による意識不明から、
   低温療法の昏睡状態を経て、
   意識は戻りましたが、
   1人で食事が出来るほどには、
   回復しませんでした。
 
   2008年に、風邪から肺炎になり、
   ミラノで亡くなりました。
 
   奥さん(soprano:Monica Curth)は
   血だらけになり、
   16針を縫ったそうですが、
   ステファノ本人は、殴られ続けました。
 
   モンバサでの、2度の手術の後に、
   昏睡状態のまま、
   ミラノに移送されましたから、
   脳出血があったのでしょう。
 
   海岸のリゾート地の自宅から、
   車で、モンバサに向かう途中に、
   強盗に遭い、
   ネックレスを奪われかけた奥さんを、
   ステファノが助けようとしたそうです。
 
   犯人は、わかりません。
 
   当時、ステファノは83才でした。
   高齢の手術は、曲芸の一種と思います。
 
   どうして、昏睡の後に、
   いきなり、2008年の死亡で、
   その後は、
   往年の追憶だけなのか・・・
 
   インターネットを探しましたが、
   英語の情報は、貧弱なのかも。
  
   イタリアは、長い間、
   訪問していませんので、
   言葉を、すっかり忘れました。
   少しも思い出せずに、
   目まいがしそうです。
 
   ソ連に連行された満州の日本人は、
   シベリアの日本人収容所の生活を
   経験しなければ、
   わずか数年で、
   約半数が、日本語を忘れたそうです。
 
   タイタニックが沈没して、
   氷山の海で、何分後に死ぬか、
   という話に、似ていますが、
   老化すると、次々に忘れて、
   新しいことを、覚えませんので、
   ステファノ夫妻は、
   何が起こったのかを、
   理解できなかったかも知れません。
 
   わたしは、自分の知能について、
   老眼に気づいた頃に、
   急速に低下していると、確信しました。
   50才過ぎに、
   知的障害レベルを、下回ったはずです。
    
   その後も、低下し続けて、
   今は、知能がありません。
  
   それでも、年齢相応の人並ですので、
   80才を超えていたステファノ夫妻は、
   事件の全容を、
   理解できなかった可能性が大きい。
 
   マネージャがいなければ、
   出入国や役所の手続きだけでなく、
   入退院の書類にも、
   記入できなかったでしょう。
 
   わたしの父は、94才で死に、
   母も、
   その年齢で、まだ生きていますが、
   自分の身の上に起こったとしても、
   事件のあらすじを、
   理解できなかったはずです。
   
   予想外のことを、
   永遠に理解できません。

   
 
   

精神医療の廃止とコンピュータ

進化論や精神医学などの、 ロマン主義による社会や心の学説を否定して、 精神医療と精神科と精神病院の廃止を、 主張します。

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