生垣の姥目樫(うばめがし)は、
わりと普通でしたが、このごろは、少なくなりました。
その代わりに、姥目樫の備長炭(びんちょうたん)が、
盛んに宣伝されています。
伐採後半年の、自然乾燥の薪(まき)が、
まだ、水に沈むほど、重く緻密ですので、
一般家庭では、使えない炭でした。
爆(は)ぜるんです。
いくら、昔の台所が、土間でも、
服や髪に、火の粉が飛びますから、命懸けです。
昔は、火鉢に炭を入れて、
一日中、暖房していましたので、
畳の部屋で、爆ぜると、火事になり、死にます。
備長炭なんて、一般家庭で、使えるわけがない。
家庭では、
櫟(くぬぎ)や小楢(こなら)や水楢(みずなら)を、
使いましたが、わたしが子供の頃は、
火鉢や七輪(しちりん)や炬燵(こたつ)に、
炭よりも豆炭を、よく使う時代になっていました。
姥目樫の生垣は、関西で、普通に見かけましたが、
東京には、ありませんでした。
このごろは、地球温暖化のせいで、
東京でも、育つかも知れません。
自然には、海岸に近い山の、暖かい土地に、
よく育ちます。
乾燥や塩に、強いのでしょう。
雌雄同株ですが、
実のならない木を、一杯、見かけます。
生垣にするには、そのほうが良いのですが…
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