【The Way We Were】 追憶
歌 : バーバラ・ストライザンド
Barbra Streisand
*** ***
作曲 Marvin Hamlisch
作詞 Alan Bergman and Marilyn Bergman
Memories,
Light the corners of my mind
Misty water-colored memories
Of the way we were
Scattered pictures,
Of the smiles we left behind
Smiles we gave to one another
For the way we were
Can it be that it was all so simple then?
Or has time re-written every line?
If we had the chance to do it all again
Tell me, would we? Could we?
Memories,
May be beautiful and yet
What's too painful to remember
We simply choose to forget
So it's the laughter
We will remember
Whenever we remember...
The way we were...
The way we were...
作詞者は、御夫婦で、
離婚もせずに、存命のようです。
こんな詩に出会うと、
作曲者も、頑張りたくなるでしょう。
映画の主題歌です。
昔の歌は、旋律と詩が、大切ですので、
声を伸ばします。
聴衆は、
簡単に録音できませんでしたので、
ゆっくりと、歌ってもらわないと、
歌詞が、わかりません。
オペラも、同じ文句を、
二度、繰り返すことが、多く、
和歌も、
ゆっくりと、滔々(とうとう)と歌い、
二度、繰り返します。
死ぬ時には、こういう歌を、
思い出すのかも知れません。
それとも、メロディの無い、
速いテンポの言葉が、
リズムに乗って、聞こえてくるのかしら。
心臓や脳みその、止まりそうな時は、
強弱の減(め)り張りがなく、
うつ病みたいに、のっぺらぼうかも
知れません。
心は、体の歌ですから、
リズムやメロディやテンポが、
必要です。
権力も、湧いて来ます。
指揮者や流行文化みたいに。
この映画を、追憶と訳したのは、
1936年生まれの、
ロバート・レッドフォードと、
1942年生まれの、
バーバラ・ストライザンドが、
1973年に、大学生を演じるのですから、
仕方ないかも知れません。
顔が、ひねています。
昔を思い出せば、若い頃の顔でなく、
今の、ひねた顔になるのかしら。
年寄りが青春を回顧すれば、
登場人物は、全部、皺くちゃだらけとか。
そんなことは、ありません。
でも、この映画の役者は、
耽(ふ)けた顔ですから、
こんな青春時代って、あるはずがない。
追憶で行かんと、しょうがないと、
思います。
だいたい、思い出された昔は、
実際よりも、
思いが、積み重なりますから、
何度も思い出せば、頭が良くなります。
反省と言えば、猿みたいですが。
怖いことは、経験した時よりも、
あとから思い出したほうが、何倍も怖い。
断崖絶壁から、ぶら下がる時も、
実際には、ちっとも怖くなかったのに、
夢に見て、若い頃を思い出すと、
身震いをして、
お布団の中で、竦(すく)み上がります。
身も心も、若い時のような、
自信がなくなると、一層怖い。
時間は、過去と現在を、
幾重(いくえ)にも、
重ねることができますので、
心の襞(ひだ)は、
衣服よりも、賢いけれど、
自分で重ねて、自分で忘れてしまいます。
秋の栗鼠(りす)は、
木の実を埋めますが、
ほぼ全部を、忘れますから、
何のために、埋めるのかしら。
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