苗代茱萸(なわしろぐみ)は、春茱萸(はるぐみ)とも、言います。
夏茱萸や秋茱萸も、そうですが、
実(み)の、赤く熟する季節を、表わしています。
苗代茱萸と、大葉茱萸(おおばぐみ)と、蔓茱萸(つるぐみ)は、
日本のグミ科の中の、3種限りの常緑低木です。
他は、落葉します。
茱萸の実は、
萼(がく)の根元のほうの、筒状の萼筒と言われる部分が、
厚く膨らみ、果実として食べられるようになったものです。
いわゆる偽果です。
実の中の、ラグビーボールよりも細長い種(たね)が、
本当の果実と、言われます。
子房が膨らんだ果実でなければ、真花と、言ってもらえませんので、
無花果(いちじく)や苺(いちご)や
林檎(りんご)や梨(なし)などは、いずれも偽果です。
写真の苗代茱萸の実は、これから、赤く熟します。
11月頃に、とても甘い香りの花を咲かせ、
そのまま、花びらを閉じて、落ちずに、
3月になっても、蕾(つぼみ)のような格好で、残っています。
花や実の斑点は、褐色の鱗状毛(りんじょうもう)です。
鱗(うろこ)のようでも、毛が変化したものですから、
毛と言います。
鱗が変化して、毛になったので、ないのかしら。
生物の体だけでなく、
その体の微細な部分や、化学物質の構造に至るまで、
進化論により、名前が付けられています。
みんなと一緒のことのできない心に、
病気や犯罪の名前を付けるのも、同じような分類の仕方です。
進化論は、自分や他人の、見えない心を、
評価するための分類に、由来しています。
進化って、珊瑚礁のように、
脳の中で、遺骸になった価値観の一つですから、
事実や科学技術が、何者であるかは、言うまでもありません。
神経や化学物質などの、繋がり方やくっつき方が、
文化的に取捨選択されて、品種改良されるように、遺伝します。
脳の中の、神経や化学物質などの、繋がり方やくっつき方が、
流行の文化的な価値を判断して、分類しますので、
論理と言われます。
分類の枝分かれの、筋道(すじみち)だけを、
使い回しが効くように、抽出すると、数学と言われますが、
100~50年ほど前は、記号論理と言われたこともあります。
コンピュータの、ハードウェアやソフトウェアなどの、
プログラムを作りました。
数学は、幾何や統計などとも、言われるかも知れません。
具体的な価値判断なのに、流行の価値を抜きにして、
判断の筋道だけを使い回すのは、判断のコピーの方法の一つです。
コピーって、DNAが複製されるのと、似たような意味ですが、
化学物質のくっつき方のようなものです。
茱萸(ぐみ)の鱗状毛には、褐色と白色がありますので、
褐色の部分が、斑点に見えます。
精油を多く含む組織と、聞いていますから、
斑点が多いほど、良い香りがするのかも知れません。
茱萸の精油の、化学物質の名前は、薬屋さんに聞いて下さい。
老人ボケに効くそうです。
茱萸の、白っぽい鱗状毛に被われた葉や、褐色の斑点や、
他を寄せ付けない刺(とげ)や、
密(ひそ)かに人を誘う香りなどから、
常緑の苗代茱萸(なわしろぐみ)は、
茶室の庭に凝る人たちに、よく愛されます。
渋い味わいです。
赤坂の迎賓館は、苗代茱萸を刈り込み、
露地庭と小道との、境栽に仕立てていましたので、
皇室の庭師は、茶道が好きかも知れません。
チャンスというアメリカ合衆国の映画では、
知的障害の庭師が、上流階級の人たちに、高く評価されました。
苗代茱萸の生け垣は、茶道の通(つう)が好みます。
関東から西に育ちますが、ほとんどが植栽されたものです。
海の見える低い山で、自生している個体を、見掛けますが、
植栽されたものが、放置されているのかも知れません。
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