雪に椿は、伝統的な日本絵画の、お題ですが、
椿の咲く季節に、雪は、珍しいものです。
椿って、普通は、藪椿(やぶつばき)のことです。
一重(ひとえ)の花が、
細長い筒状に、俯(うつむ)き加減に、咲きますが、
けっして、開き切らずに、花びらを散らしません。
香りも音もなく、首から、全体が落ちますので、
潔(いさぎよ)しとして、武士に好まれたと、言われます。
首が落ちて、歓迎されるわけが、ありませんから、
千利休あたりの、こじつけでないかと、疑われます。
藪椿は、春になり、
気温が、10度を超えるぐらいにならないと、咲きませんから、
雪を被(かぶ)ることは、滅多(めった)にありません。
写真は、寒椿(かんつばき)ですので、
藪椿(やぶつばき)に、似ていません。
椿と言うよりは、山茶花(さざんか)です。
山茶花は、秋遅くから、初冬にかけて、
八重(やえ)の花びらを、よく開き、盛んに、咲き散らします。
椿と山茶花は、正反対のように見えますが、
簡単に交配されて、たくさんの雑種ができます。
その一つ一つに、品種のような名前が付いていますから、
くそったれです。
上手(うま)い具合に、交配された品種は、
みんな、椿と山茶花の、中間のような性質です。
山茶花よりも山茶花らしく、椿よりも椿らしいものは、ありません。
中間みたいな品種に、何という名前を付けるかは、
商売の勝手ですから、学問の好きな人たちの分類とは、無関係です。
性同一性障害みたいでしょう?
寒椿は、椿という名前ですが、
山茶花(さざんか)が、真冬に咲くようになったと、
思ったほうが、良いかも知れません。
4~5mの山茶花や、10m以上の椿と同じように、
高く育つ系統と、
1~2mぐらいにしかならない系統とが、あるようです。
山茶花 Camellia sasanqua や、椿 Camellia japonica は、
日本っぽい学名ですが、
山茶花は、中国の長江流域と、ほとんど同じ植生です。
椿は、日本特産に近いのに、山茶花と、簡単に交配できますから、
分類って、精神の病気と同じように、面倒くさいものです。
事務的には、名札(なふだ)を付けなければ、処理できませんから、
品種の一々にも、名前があるのは、仕方ありません。
性同一性障害を、病気でないとするには、
進化論をやっつけないと、なかなかです。
コンピュータも、けっこう、頑張っていますけれど、
エステティックって、精神分析と同じように、
血統血縁主義の進化論丸出しです。
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