鈴懸(すずかけ)の木を、
学名の属名から、プラタナス Platanus と言います。
スズカケノキ科 Platanaceae は、この一属だけです。
上海の街路樹の、7割くらいが、
ニ球懸鈴木(アーチオウ・シアンリンムー)のプラタナスです。
鈴懸の木の、中国語訳ですから、
日本の修験道の山伏(やまぶし)の、
鈴懸(すずかけ)と言われる衣裳に、由来しています。
結袈裟(ゆいげさ)を、鈴懸の上に着用します。
その袈裟の、前後6個の、梵天と言われる房(ふさ)飾りが、
大きな鈴に見えるので、
その衣裳を、鈴懸(すずかけ)と言います。
二球は、ぶら下がっている球状花序の数です。
一般に、法桐(ファトン)と言う人が、多いかもしれません。
フランス桐(きり)の意味です。
フランス租界の淮海路(ホワイハイルー)の街路樹に、
使われていました。
日本の、モミジバスズカケノキ Platanus x acerifolia と、
同じ交配種です。
薄い樹皮が、斑(まだら)に剥がれると、白っぽくなります。
初夏に、1~3個の、球状花序の房が、一箇所からぶら下がり、
秋に、痩果(そうか)の集合果が熟します。
タンポポのように、毛のある種(たね)が、風に飛びます。
マンサク科のフウの実と、間違えそうですが、
フウの樹皮は、分厚く、
櫟(くぬぎ)や楠(くすのき)のように、深い亀裂が入ります。
ギリシャやトルコに自生する鈴懸の木 Platanus orientalis と、
北アメリカ原産のアメリカ鈴懸の木 Platanus occidentalis との、
雑種と言われています。
ギリシャ・トルコの、鈴懸の木の並木道を歩きながら、
アリストテレスの逍遥学派の哲学者たちが、
議論をしていたそうです。
花言葉は、天才とか。
レオナルド・ダビンチや、ニュートンや、アインシュタインにも、
花言葉があるかも知れません。
英語では、
plane や、planetree や、buttonwood などと、言いますが、
ラテン語の属名の プラタナス Platanus も、
ギリシャ語の platys の、広いという意味から来ています。
広い葉のことです。
釦(ぼたん)は、
毛糸のぼんぼりさんのような、球状花序を言います。
シカモアsycamore とも言いますが、
シェイクスピアのオセロの、
デズデモーナの「柳の歌」の sycamore の意味は、知りません。
わたしは、ジャズの、Moonlight in Vermont の、sycamore や、
菅原都々子の、月がとっても青いから、などを思い出します。
英語の sycamore も、ギリシャ語に由来して、
無花果(いちじく)や、桑(くわ)の木などの、
葉の形を、意味しています。
アメリカ鈴懸の木は、
球状の花序や集合果が、1個だけ、ぶら下がります。
ギリシャ・トルコに自生する鈴懸の木は、3~6個ぐらい。
紅葉葉(もみじば)鈴懸の木の acerifolia は、
カエデの葉のような、という意味です。
モクレン科の百合(ゆり)の木の、葉にも、似ているので、
百合の木の花を、プラタナスの花と、思っている人もいます。
植物の名前は、同じ共通点のある植物に、
同じ名前が、次々に使われます。
そのたびに、何を共通点にしたのかが、ころころと変わりますので、
価値や主義主張や趣味などの、流行文化と同じです。
言語一般だけでなく、事実の認識や、実行の仕組みなども、
似たようなものです。
上海の街路樹の、紅葉葉(もみじば)鈴懸の木は、
大きな枝が、左右に広がるように、
芯を止められて、二股に仕立てられています。
*** ***
0コメント