下田にいたガット船ですけれど、
どうしても、こんなのを撮（と）ってしまいます。
船って、汚いほど見ごたえがあるもの。
人間と同じです。
体の病気のせいで、ぼろぼろになって苦しんでいる人を、
美しいと言うと、絶対に怒られます。
精神の病気で苦しんでいる人を、美しいと言っても、
やっぱり怒られます。
仕方ないから、
作業用の汚れた船を見ると、撫（な）でてあげたくなります。
美しいと言いません。
疲れて帰宅して、何もしたくないので、
自分のブログの、竹田の子守唄（2011-10-08）を聞きました。
ファルセット（裏声）で、ねんねんやーって、合唱しています。
ヒッチコックっていう監督の、サイコという映画に、
統合失調症の人が出てきますけれど、人を殺したの。
夜になると、家の中から、
母親と喧嘩をしている声が聞こえて来ます。
お母さんは、とっくの昔に亡くなったのに。
ヒッチコックは、子供の頃に、
近所の統合失調症の人を、よく見ていたので、
症状を知っていたそうです。
幻聴があり、一人言を言いますけれど、よく喧嘩をします。
自分自身と喧嘩をしているのですけれど、
御本人は、自分以外の誰かと喧嘩をしているつもりなの。
わたしは、竹田の子守唄のファルセットを聞いて、
統合失調症っていう病気の悲しさを、思い浮かべました。
悲しさって言うと、怒られますけれど…
実際、半分ぐらいの人は、
お薬を飲んでいれば、職場復帰ができますので、
糖尿病のようなものと思って、ずーっと飲み続けて下さい。
難しいのは、糖尿病でも、
お薬を飲んでいるのに、合併症の悪化することです。
統合失調症では、認知障害の進行する人が、少なくありません。
統合失調症の陽性症状って、お薬がよく効きますので、
あまり恐くなくなりました。
でも、陰性症状のほうは、
いまひとつ、すっきりとお薬が効きません。
陽性症状って、わりと興奮しますので、お薬で鎮静します。
そうすると、大人しくなり過ぎて、沈んでしまうことがあります。
陰性症状は、それに似ているので、
ようするに、陽性症状も陰性症状も、
ドーパミン神経を調節できなくなり、
機能が亢進し過ぎたり、抑制され過ぎたりするのでないかと、
言う人もいます。
それを抗精神病薬っていうお薬によって、
人為的に、ちょうど良いところに 調節しているだけでないかと。
統合失調症の認知障害って、陰性症状のことでないかと、
言う人がいるの。
これは、たぶん間違っています。
急性症状が出て、統合失調症と診断されるよりも前に、
思春期から、知能の下がり始める人がいます。
大学受験ぐらいの年齢から、
ぼちぼち統合失調症と診断される人が出てきます。
陽性症状が出てくるの。
でも、知能の下がり始める思春期に、妄想や幻聴は、まだ出ません。
知能が下がり続けても、大学の医学部に入学してしまう人もいます。
ある程度まで下がると、周囲の人が、妄想に気づきます。
お薬が入るまで、陰性症状のような、不活発な精神状態を、
まったく経験しなかった人も、たくさんいます。
認知障害と陰性症状は、はっきりと違います。
認知障害のほうが、先に出ます。
妄想や幻聴や陰性症状などはなく、
受診せずに、統合失調症と診断されないが、
思春期に、鮮やかに知能の下がる人もいて、
御家族の様子から、かなりはっきりと、遺伝する可能性もあります。
思春期でなく、30才代、40才代、初老期、という人もいて、
けっして、GIDに少なくありませんので、悩ましいところです。
統合失調症と言うよりも、
広く認知障害と言ったほうが良いかも知れません。
抗精神病薬が効かないの。
脳の器質に、原因となる異常は発見されませんが、
どこまで進行するかも、わかりません。
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